
サローとスンの演奏、ソーの歌
ランナーの音楽の紹介でよく出てくるのが、サロー・ソー・スンです。サローは弓で弦をこする楽器、スンは弦をはじく楽器。この呼び方でのソーは、歌を指しています。こうした弦楽器に笛や打楽器を加えて演奏することもあります。
チェンマイ大学の曲目解説には、ビルマの趣をもつ「Phama」や、作者の名が伝わらない「Long Mae Ping」が載っています。古い曲には、人や地域の行き来を伝える名前もある。同じ曲でも土地によって名前が違い、一つの呼び方だけではたどれない歴史が残っています。

スントーンの教えと街での音楽の継承
スントーン・ナ・チェンマイはチェンマイの王族に生まれ、幼いころから音楽を学びました。のちにチェンマイ舞踊芸術学校で教え、合奏の編成や調律を考え、楽譜も記録。その教えは、北タイ各地で教員となった弟子たちに受け継がれています。
師匠に教わることもあれば、演奏を見てまねたり、行事で耳にしたりすることもある。2010年のチェンマイを対象にした研究には、教室の外も含めたさまざまな場所で、音楽を学ぶ人たちの姿が描かれています。

1984年に学生が紹介した「Hae-noi」
「Hae-noi」は、チェンラーイ県チェンコーンで親しまれていた曲です。1984年にチェンマイ大学の学生の民族音楽・舞踊クラブが紹介し、チェンマイやランプーンにも広まりました。学生の演奏を通じて、ほかの街でも知られるようになった曲です。

2007年に始まったNorth Gate Jazz Co-Op
旧市街の北門近くにNorth Gate Jazz Co-Opができたのは、2007年。地元のミュージシャンも旅の途中の人も集まり、街のジャズを聴く場所になってきました。これから行くなら、会場の最新案内でその夜の出演者を確かめられます。

2010年代からのバンドと海外での活動
SANIMYOKが高校時代に演奏していたのは、パンクのカバー曲でした。大学で美術を学び、ブルースやロックも聴くようになり、やがて自分たちの曲をつくっていきます。
同じチェンマイのインディーポップバンド、YONLAPAにも目を向けてみましょう。2020年にEP「FIRST TRIP」を発表し、2022年には日本ツアーへ。2023年に初のフルアルバム「LINGERING GLOAMING」を出しています。同じ2023年には、歌手Noi NaaがSTUTSとの「Two Kites」を発表しました。

伝統音楽の新作とバンドの共作
伝統音楽を学ぶ人たちも、新作を発表しています。2020年11月28日にチェンマイ大学で開かれた現代ランナー音楽のレクチャーコンサートでは、プロジェクトに参加した五つのグループが、新しい作品を演奏しました。
SANIMYOKは2024年に日本のJERSEY EIGHTへ出演し、2025年には瑛人と「Free Bird」の日本語版を発表しました。昔からの曲を教える場所があり、海外の仲間と曲をつくるバンドもいる。チェンマイでは、どちらの音楽も続いています。
SANIMYOKの曲を聴くなら、バンドの特集へ。チェンマイでライブを聴きたい方は、音楽・イベント案内から会場や出演者を探せます。
